2025年11月14日金曜日

第3928話 魚貝三種が みな好物

この日も例によって不忍通りで
都営バスの2方向4面待ち。
最初に来たのは浅草寿町行き。
三河島・荒川区役所・三ノ輪・
竜泉・千束、終点の寿町、
沿線、どこでもいいゾ。

推量をめぐらせながら
ふと思って西浅草3丁目下車。
今日は初訪の店に行こう。
さすれば観音さま周辺よりも
西浅草のほうが好都合だ。

エリアのメインストリートは
七夕で知られるかっぱ橋本通り。
その1本南側を歩いた。
居酒屋「ドロン」の看板が見える。
入ったことはない。

店頭に立つと営業は夜のみ。
そのすぐ隣りに
昼食メニューのボードあり。
「和創彩 ゆゆ」で
普段、こういう名前の店は
敬遠するが或る一品に
強く惹かれてしまった。
ラインナップを紹介しよう。

① 海老・キス・野菜天丼 ¥1500
② 大かます開き干し焼き ¥2200
③ 天然かんぱちの漬け丼 ¥1500
④ かつお・小肌・
   活赤貝の海鮮丼 ¥1500
⑤ あじ・かき・海老の
  ミックスフライ ¥1500
⑥ お刺身5点盛り ¥1700

読者ならもうお判りですネ?
迷わず④番です。
三種揃って好物ですから。
ドライ中瓶とともにお願い。

若き店主のワンオペにつき、
調理には時間が掛かった。
一人の先客も同じ注文で
二人分が同時に出来上がる。

ん? 他のものが一切れづつ。
「これはスルメイカとイサキ?」
「エッ? そうですが
 イサキってよく判りましたネ、
 サカナ関係のお仕事ですか?」
「いや、そうじゃないけど
 肉より魚が好きなだけ。
 皮目に特徴があるから
 イサキは判り易いよネ」

そこから話に花が咲いた。
仕入れは豊洲に出向くと云う。
「ボク、食にウルサい人、
 大好きなんですっ!」
笑顔の店主と再訪を約して
いとまを告げる。

肝心の海鮮丼の水準は
極めて高いものがありました。 

「和創彩 ゆゆ」
 東京都台東区西浅草2-16-5
 03-5936-6489

=再び告示です=
長年お世話になった、
goo ブログ が
今月18日で終了します。
考えた末、これを機に
断筆を決断しました。
こういうものは
いつか終わりが来るものです。
2006年6月、
「食べる歓び」に始まり、
’11年3月から「生きる歓び」。
19年間に渡り、土・日以外は
1日も休まず綴って参りました。
長い間のご愛読に
心より感謝申し上げます。
一時期、収拾がつかなくなり、
外しておいたメルアドを
表示しておきます。
対応する時間も出来ましたし、
お便り、お待ちしております。
重ねてありがとうございました。
   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com

2025年11月13日木曜日

第3927話 町屋の仇を 駒込で討つ

荒川区・熊野前から
同・町屋の荒木田交差点を
結ぶ旭電化通り。
都立大荒川キャンパスや
尾久の原公園があるが
わりと寂しい道筋だ。

北千住行きのバスに乗っていて
車窓から見掛けたのが「千秋庵」。
そのそば屋に行ってみた。
鰻の寝床みたいな細長い造りで
個室風になっていた。

生桜海老かき揚げと
もりそばで中瓶2本を飲んだが
イベリコ豚のメニューが目立つ。
豚丼・かつ丼・開化丼に
生姜焼きまで揃っている。

これはトライしてみよう。
思って再訪したら
小さな店に5人ほど順番待ち。
諦めて数週後、舞い戻ったが
やはり行列の憂き目にあい、
人の好い J.C.もさすがに
堪忍袋の緒がプッツン。
以後、ほったらかしである。

後日、これまたバスの車窓から
見初めた上富士前の「松月庵」。
壁に貼られた品書きに
イベリコ豚肉せいろを発見。
渡りに舟とばかり発注に及ぶ。

そば屋にありがちな大瓶を
飲みながら待つこ5分。
着卓した温つゆと冷そばは
見映えがとてもよろしい。

ちりちりに縮こまったバラ肉と
南蛮切りの長ねぎが浮き沈み。
彼らを救う浮輪の如く、
三つ葉が文字通り3葉散る。

うむ、なかなかであるゾ。
日本には旨い豚肉が
いくらでもあるのに
わざわざスペインから
輸入するのはこの美味だからこそ。

スペイン料理屋以外で
あまり見掛けないイベリコ豚。
町屋と本駒込のそば屋が
揃って提供するのは
単なる偶然だろうか?

いや、そうではあるまい。
そば屋連盟の会長か誰かが
推奨したんじゃないかな?
いずれにしろ、
町屋の仇を駒込で討ちました。

「千秋庵」
 東京都荒川区町屋5-7-27
 03-3895-7089

「松月庵」
 東京都文京区本駒込2-28-30
 03-3941-5403

=再び告示です=
長年お世話になった、
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考えた末、これを機に
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こういうものは
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   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com

2025年11月12日水曜日

第3926話 とげぬきに 来れば「ときわ」の 世話になる

この日は食欲が無かった。
朝食の量が普段の半分。
昼を過ぎても腹が空かない。
取り合えず散歩しよう。

不忍通りでバスの両面待ち。
通り東側のバス停からは
上野松坂屋 or 池袋東口。
西側は早稲田 or 浅草寿町。
最初に来た池袋行きに乗った。

いつものように乗ってから
行く先を思案する。
巣鴨・西巣鴨・上池袋、
終点の東口でもいいや。
降りたのは巣鴨駅の一つ先、
とげぬき地蔵前だった。

此処はお婆ちゃんの原宿。
地蔵通りを北へ歩く。
身体に棘は刺さってないので
お地蔵さまを素通り。

スマホが教えてくれる時刻は
14時半にならんとしていた。
腹は空かないが
ガスは切れかかっている。

J.C.にとってのビールは
クルマのガソリン、
あるいはスマホの充電に
匹敵するほど大切なものだ。

一本道を北上して庚申塚。
「巣鴨ときわ食堂 本店」は
お地蔵さまのはす向かいだが
こちらには倅が営む、
「庚申塚店」がある。
巣鴨に来れば、お世話になる。

今日も暖簾を潜った。
まずはドライ大瓶で一息つき、
ミニしらすおろし、
カキフライ1個、
自家製タルタルソースを列注。

ミニ盛りメニューが
何品か用意されており、
たくさん飲むけど
あまり食べない身には有難い。

特段、料理に魅力を感じないが
ミニのおかげで
使い勝手がとてもよろしい。
本日もお世話になりました。

「巣鴨ときわ食堂 庚申塚店」
 東京都豊島区巣鴨4-33-2
 03-3576-2269

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重ねてありがとうございました。
   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com

2025年11月11日火曜日

第3925話 滑って転んだ 千畳敷カール

ソースかつ丼のあと
バスとロープウェイを乗り継ぎ、
駒ヶ根千畳敷カールにやって来た。
カールというのは遥か昔、
氷河によって削られ、
お椀状になった地形のこと。
それが千畳ぶんも拡がっている。

標高2700mは雪が積もっていた。
歩き始めると滑るのなんのっ!
他の連中は事前の準備よろしく、
みなさん登山靴と来たもんだ。
総勢37名中スニーカーはわれ1人。

昇りはまだしも、降りはヤバい。
結局、滑って5回も転んだぜ。
自慢じゃねェけどよッ!
幸い怪我はなかったが
こんなのアリかい?

呑気な旅行社は
気温が氷点下になるから
防寒着の準備を怠るな!
そればっかりで靴の指摘が
不十分じゃないかえ?
気温なんか6度もあったぜ。

何とかロープウェイの駅に
たどり着き、そこのカフェ。
N子サンがビールはやめて
コーヒーにしようと
云うんで素直に従った。

帰りの駅や空港へは早めに
到着するのがツアーの常。
遅れたらエラいこっちゃだ。
茅野駅で50分も余裕があった。

N子サンを誘って駅ビル内、
「モン蓼科」なるレストランへ。
山菜そばとシュリンプピザを
分け合いながらビールを飲む。

驚いたのは帰宅の途だ。
彼女の自宅の最寄り駅は
日暮里・舎人ライナーの終点、
見沼台親水公園と来たもんだ。
二人してJR西日暮里で下車。

今朝、声を掛けられた御仁と
同じ駅でお別れなんて
単なる偶然とは思えない。
目に見えぬ赤い糸で
結ばれてるんじゃないかな?

「モン蓼科」
 長野県茅野市ちの3502-1
 ベルビア2F
 0266-73-0100

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2025年11月10日月曜日

第3924話 旅は道連れ 世は歌に連れ

翌朝は8時にホテルを出発。
その際、ツアー同行の女性に
声を掛けられた。

「ずいぶん荷物が少ないですネ」
「エ~、余計なものは無いです」
 化粧道具も無いしネ」
「アハッ、少な過ぎじゃぁ?」
「パンツと靴下と洗面用具、
 あとはスマホの充電器だけ」
「男の人ってうらやましいわ」

最初に訪れたのは
長野県第二の名刹、光前寺。
なんだか名前まで
善光寺に似ている。
此処には伝説の狼犬(山犬)、
早太郎が祀られている。

光前寺前のみやげ物屋で
赤飯まんじゅうというのを
振る舞われた。
甘めのまんじゅうの中は
餡子の代わりに赤飯。
珍妙ながら不味くはなく、
缶ビールで流し込んだ。

大沼湖と駒ヶ池のほとりを
速足でぐ~るぐる。
駒ヶ根ファームスでの昼食は
当地のソウルフード、
ソースかつ丼である。

先刻の女性と一緒に食べた。
買い込んで来たビールを
勧めるとけっこうイケる口。
彼女の名前は A木N子サン。
ビール好きだってんで
近いうち浅草「神谷バー」に
ご一緒する約束を交わす。

この6月から
伊勢志摩、丹後&若狭、
東西伊豆、裏磐梯&会津若松、
そして今回の木曽&駒ヶ根。
ツアー5回目にして
初めて友だちができた。
秋すでに深い信濃路でした。

=再び告示です=
このGoo blog が
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2006年6月、邱さん時代の
「食べる歓び」に始まり、
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2025年11月7日金曜日

第3923話 秋もう深い 信濃路へ

今年クセがついたツアー旅行。
年甲斐もなくハマッた。
これで5回目。
今回はわがふるさと長野県、
木曽路と駒ヶ根である。

♪ 7時半ちょうどの
  あずさ3号で
  私は 私は 
  新宿から 旅立ちます ♪

秋もう深い信濃路へ。
あずさ3号を降りたのは茅野。
小じんまりとした駅から
バスが向かったのは
木曽の馬籠宿である。

着いたらけっこうな秋時雨。
それでも時雨は止むのが早い。
妻籠宿へと歩みを進める。
上り坂は急勾配。
年配者がみな息を切らし始めた。

馬籠峠を越えてからは
なだらかな下り坂。
大妻籠を過ぎてほどなく妻籠宿。
すでに夕暮れどきで
店はほとんど閉じている。

「澤田屋」は開いており、
噂に高い銘菓・栗きんとんを購入。
ガス注入といきたいが
どうやらダメだなこりゃ。

すると1軒だけ門戸を開く店あり。
地獄に仏は「やまぎり食堂」。
ドライレギュラー缶(400円)と
五平餅(300円)をすかさず通す。

五平餅はよく見掛ける、
みたらし団子風ではなかった。
竹串代わりの木べらに
平たいハンバーグ風は
焼鳥屋のツクネみたいだ。
くるみ味噌が旨いが
これは餅ではなくつぶした飯。

バスの出発時間が迫り、
ビール1缶で切り上げる。
宿泊先は駒ヶ根インターそば。
1時間ほどで到着し、
30分後には夕食。

ビジネスホテルの食事セットは
特筆するものとてナシ。
でも、飲んだ。
一番搾り中瓶3本と伊那の酒、
夜明け前(300ml)を1本。

4人掛けのテーブルを
1人旅のオッサン4人で囲む。
見知らぬ同士はすぐに打ち解け、
会話も弾んできた。

今回は通常のツアーと異なり、
”ハイキング中級”と銘打たれ、
4時間で9kmを踏破した。
みなさんお歳のわりに健脚揃い。
ほか全員が引き揚げたあとも
4人組は食堂に最後まで居残り、
口角泡を飛ばしたのでした。

「澤田屋」
 長野県木曽郡南木曽町
 吾妻寺下805
 0264-57-4105

「やまぎり食堂」
 長野県木曽郡南木曽町
 吾妻下町2179-1
 0264-57-3134

2025年11月6日木曜日

第3922話 小雨の中を一万歩 (その2)

てなこって傘をさしつつ、
荒川区・小台に到達した。
花の東京に唯一残った、
チンチン電車、
荒川線はよく利用するので
この町にも土地勘はある。

BMしておいたとんかつ屋、
「大清(たいせい)」へ。
それにしても雨足は弱いけど
小糠雨がうっとうしい。

カウンター、テーブル、
小上りまである設えに
先客はオジさんが独り。
カウンターでヒレカツ定食と
キリンラガー大瓶だ。

隣りの隣りに腰掛けて
ドライ大瓶を所望する。
品書きを一瞥したものの、
すでに心に決めてある、
カキフライを単品でお願い。

カキは中ぶりが5カン付け。
トマト・きゅうり・レタス・
キャベツにレモン1櫛。
それにタルタルならぬ、
マヨネーズが添えられている。

揚げ切りよろしく、
コロモのサクサク感が快適。
この店ならロースやヒレも
かなりの水準と推察できた。

中瓶を1本にとどめ、
お勘定は1450円也。
サクサク感のあとは
割安感に襲われた次第なり。

未だに小糠は降っている。
小台から荒川線に乗り、
熊野前で日暮里・舎人ライナーに
乗り換えて日暮里という手段が
常套だが歩いて帰ることにする。

雨の日には歩かない主義ながら
魔が差したというか、
気の紛れというか、
こんなこともタマにはあるのだ。

宮ノ前から尾久銀座を抜け、
赤土小学校前、そこから
尾久橋通りを南下して往く。
頭上には乗るはずだった、
舎人ライナーが走っている。

小台から1時間は歩いたかな?
地元のよみせ通りのご用達、
鮮魚店で岩手産カキを購入。
加工用だがJ.C.は常に
コレを生で食する。
酢で締めれば問題は払拭される。

今まで百回以上食べて来て
当たったことなど一度もないから
自信を持って読者にも
オススメできるのだ。
昼はカキフライ、夜は酢がき。
本日はオイスターをオイスく、
いただく日と相成りました。

「とんかつ 大清(たいせい)」
 東京都荒川区西尾久2-4-14
 03-3800-6419